
元FBI長官のジェームズ・コミー氏が、米バージニア州東部地区の連邦大陪審によって起訴されました。
罪状は「議会への虚偽陳述」と「議会手続きの妨害」の2つです。
いずれも、2020年に行われた上院司法委員会での証言に関連しています。
当時、コミー氏は「FBIがメディアに匿名情報を流すことを自分が承認した事実はない」と証言していました。
しかし、検察はこれが虚偽だったと主張しています。
実際には、FBI内部で匿名の情報提供を認め、特定のメディアに対してコメントを行うよう指示した人物がいたというのです。
この問題は、2016年の大統領選挙で浮上したロシア疑惑や、ヒラリー・クリントン氏のメール問題といった、当時の政治的混乱と深く関係しています。
コミー氏の行動が、政治的に中立であるべきFBIの信頼性を揺るがしたとして、長く論争の的になってきました。
起訴のタイミングにも注目が集まっています。
証言が行われた2020年からちょうど5年、時効が迫る中での起訴でした。
一部報道では、以前の検察幹部が「証拠不十分」として起訴を見送る判断をしていたとも伝えられています。
そのため、今回の決定をめぐっては、政治的な思惑が働いたのではないかという見方も出ています。
トランプ前大統領はこれまでも、コミー氏を強く批判してきました。
政権時代には司法省に対し、コミー氏や他の「政敵」を起訴するよう圧力をかけていたとされています。
この背景を踏まえると、司法の独立性が本当に保たれているのかという疑問の声も上がっています。
コミー氏は起訴を受けて、「自分は無罪であり、裁判で真実を明らかにする」との声明を発表しました。
起訴状の内容は非常に簡潔で、どの発言や具体的なやりとりが問題視されたのかは明確にされていません。
裁判は2026年1月に始まる予定で、米国の司法と政治の関係をめぐる大きな試金石となりそうです。
今回の起訴は、単なる一人の元高官の問題にとどまりません。
司法の公正さ、政治からの独立、そしてFBIという組織の信頼性が問われる、アメリカ社会全体の課題を浮き彫りにしているのではないでしょうか。
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