高市内閣の支持率が、発足から2か月を経ても70%前後【 読売新聞12月調査73%(https://www.yomiuri.co.jp/election/yoron-chosa/20251221-GYT1T00212/)、朝日新聞68%(https://www.asahi.com/articles/ASTDP2Q0CTDPUZPS002M.html)、毎日新聞67%(https://mainichi.jp/articles/20251221/k00/00m/010/133000c)、日経75%(https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA19B790Z11C25A2000000/)】を維持しているという報道が続いています。
歴代内閣との比較では、発足2か月後も70%以上を保つのは細川・小泉内閣に続く稀な例とされ、「決断力」「スピード感」といった言葉が並び、全体としてはかなり好意的な空気です。
ただ、この支持率をそのまま「政策の成果が評価された結果」と受け取るのは、やや早計ではないかと感じます。
支持率を押し上げているのは「成果」ではなく「報じられ方」
今回の内閣が高く評価されている最大の理由は、政策の実効性そのものというよりも、打ち出された方針のうち、分かりやすい部分がマスコミによって好意的に報じられている点にあります。
いわば、政策そのものより「報じられ方」が評価を先行させている状態です。
特に注目を集めている政策
特に注目を集めているのは、以下のような政策です。
ガソリン暫定税率の廃止(1Lあたり25.1円相当の減税効果、2025年12月31日廃止)
年収の壁の引き上げ(160万円から178万円へ、年収665万円以下が対象)
補正予算の規模(一般会計18.3兆円、コロナ後最大)
いずれも家計への影響が想像しやすく、「すぐに得になりそう」「国が動いている感じがする」テーマとして扱われています。
相対的に注目度が低い中長期政策
一方で、環境税の見直しや防衛産業への注力といった中長期的な政策については、触れられることはあっても、支持率を押し上げる主材料として前面に出ているとは言い難い状況です。
その結果、短期的なメリットが強調され、構造的・長期的な論点は相対的に見えにくくなっています。
「スピード感」の正体は方針表明の早さ
また、重要なのは、これらの多くが「実行された政策」ではなく、「方針が示された段階」にとどまっていることです。
スピード感があるように見えるのは、「決めた」「打ち出した」という宣言が早かったからであって、制度や現場がすでに動いているわけではありません。
暫定税率廃止に残る論点
例えば、暫定税率の廃止です。
ガソリン価格の引き下げという分かりやすい効果が強調される一方で、
地方の道路整備や維持をどうするのか
代替財源をどう確保するのか(年間約1兆円の税収減)
といった問題は、まだ十分に議論されていません。
都市部の消費者目線だけが可視化され、地方の道路や橋の維持といった、普段は意識されにくいが生活に直結する問題が、議論の表に出てきていません。
年収の壁引き上げと社会保険の問題
年収の壁の引き上げも同様です。
月に1万円前後の手取り増は確かにプラスですが、生活が劇的に変わる水準ではありません。
さらに、社会保険への加入問題は制度が複雑で、
どの層が、いつから、どれだけ負担増になるのかが、ほとんど共有されていないのが実情です。
「得になる話」だけが理解され、「後から来る調整」は見えないままです。
補正予算は「積極財政」と言えるのか
補正予算についても、額の大きさが強調されがちです。
18.3兆円規模という数字が前に出る一方で、国債依存が6割超であることや、短期的な支出が中心である点は、あまり丁寧に語られていません。
そのため、「積極財政に転じた」と単純化されて語られる場面も少なくありません。
結果として、財政規律を重視する自民党内のコアな支持層からは、早くも違和感や批判が出ています。
防衛産業政策の可能性と見えにくい「底」
環境税の見直しや防衛産業への注力は、本来であれば中長期的な政策評価の軸になり得るテーマです。
特に防衛産業は、素材、精密機械、電子部品、サイバー分野など、産業全体に波及する可能性を持っています。
ただし、その恩恵が本当に広がるかどうかは、中小企業・下請け企業・地方企業にまで目が向けられるかにかかっています。
現時点では、その「底」の部分にスポットを当てた報道は多くありません。
高支持率の正体と、通常国会という本番
こうして見ると、今の高支持率は、
政策の結果が評価された数字というよりも、
分かりやすい方針が分かりやすく報じられた結果としての期待値
に近いものだと言えます。
マスコミも、発進直後ということもあり、好意的な視線で「決断の瞬間」を切り取っています。
しかし、来年始まる通常国会では、そうはいきません。
法案の条文、財源、制度設計、利害調整。
これまで見えなかった部分が一気に表に出てきます。
そのとき、
「まだ決まっていない」
「思ったほど得にならない」
「現場が回らない」
といった声が出始めれば、評価は簡単に揺れます。
問われるのは説明力と調整力
本当に問われるのは、スピード感ではなく説明力と調整力です。
方針と現実のズレをどう埋めるのか。
不都合な部分をどこまで正直に語れるのか。
今のところ、この内閣は「動いたように見える段階」にあります。
エンジンはかかったかもしれませんが、実際にどこまで走れるのかは、これからです。
通常国会は、ある意味で第二のスタート地点です。
ここでの対応次第で、この内閣が一時的な高支持率政権になるのか、それとも腰のある政権になるのか。
我々はマスコミ報道をただ受け取るだけでなく、冷静に見て判断していくことが必要になります。
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<ツイッターの反応>
日本経済新聞 電子版(日経電子版)
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Tessy
@tessy3324同一IPaddressからは24時間投票禁止のサイトでは支持率はよくて20%。 七割はただの世論誘導。 「高市内閣支持率73%」受けとめは…手応え、懸念も(日テレNEWS NNN) news.yahoo.co.jp/articles/37589…














